彼はミラノ万博会場でも一番モテていた。

その時の彼の服装こそが〝着物〟なのだ。しかも、彼はわざとサムライのよ

うな姿を演出するために髪を結い、刀のような大きな筆を腰にさしていた。


その彼とは、私の友人の小林龍人君であり、二〇一七年十一月三日に東久邇宮文化褒賞を受賞した書道家(墨筆士)である。


そんな彼も、この時はまだ無名だった。

もちろん、イタリアのミラノの大聖堂前にいた女性たちは彼のことを知らなかった。単に、着物姿がカッコイイ! というだけでモテまくったのである。

さらに、彼はミラノ万博会場でも一番モテた! 私は、ミラノ万博を取材中の日本館の中でもカメラマンをさせられた(苦笑)。

しかも大人気の日本館の中だけに、この時は子どもたちが歓喜して、どんどん彼に近づいてきて写真を撮りたがり、握手までも求めて大混乱となってしまった。

まさに、彼はスターだった、行列ができるほどのモテぶりだったのだから。

さらにイタリアやフランスを、着物姿でいなせにキメた小林君と旅したが、毎回毎回、私はカメラマンをやらされ、彼だけがスターのようにモテモテだった……。



KIMONOYA EIZI

「一流の人はなぜ着物を着こなすのか」を現代書林社より出版した著者のブログ

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