着物ブームの台頭
現在、私は年間三百日以上を取材のため海外で過ごす生活をしています。そのため、日本文化に対しての「世界のリアルな反応」を感じる毎日です。
もちろん和食は、私が主に滞在しているアメリカでも大人気となっています。最近
ではロサンゼルスにうどん屋チェーンの丸亀製麺がアメリカに初上陸しました。他に
も、ラーメン屋、すし屋、天ぷら屋など、日本食を展開する日本企業が相次いで進出しています。
近年の日本ブームの火付け役ともなった漫画やアニメ。これも、依然として若者たちから絶大なる人気を博します。
アメリカ、ヨーロッパ、アジアはもちろん、最近では中東でもメディア展開が行われました。書店に、日本の漫画コーナーが特設されたり、現地のテレビで放映されたりなど、大きな盛り上がりを見せています。これだけ巨大なマーケットになったからには、〝和食〟や〝漫画・アニメ〟といった日本ブームは、まだまだ続いていくことでしょう。
しかし、ここ数年〝和食〟や〝漫画・アニメ〟とは別に、新たな日本ブームの風が吹き始めているのを、あなたはご存知でしょうか?
その新たなブームというのが、「着物(KIMONO)」です。
いま、外国人観光客の間で、日本土産として「着物」を買っていく人が急増しています。外国人をターゲットにした「着物ショー」や「日本の文化体験」は大盛況だとの報道もあります。
この着物ブームは、確かに納得がいきます。海外の生活が長い私ですが、ここ数年になって、着物を纏う外国人を見る機会がグッと増えました。調べてみると、その背景にはいくつかの理由があるようです。
近年では、イギリスのファッションブランド「NEW LOOK」が日本の着物をモチーフにした〝キモノ・ジャケット〟を発売。当時(二〇一四年)は、五秒に一着のペースで売れていると話題となり、イギリスを中心に爆発的な「KIMONO」ブームを巻き起こしました。
また、3・11の東日本大震災(二〇一一年)の復興支援をきっかけに、パリ在住の
着物好き日本人女性らを中心に結成されたボランティア団体〝パリ小町〟は、現地パ
リにて「着付け講座」や「着物イベント」などを実施。現在も継続して行っており、
パリでの「着物」ブームの火付け役として大きな役割を果たしています。
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